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「みんなの働きたい!応援ゼミナール」 第1回「“ユニバーサル就労”という新たな働き方を考える」 開催報告

2014.08.12

「みんなの働きたい!応援ゼミナール」

第1回「“ユニバーサル就労”という新たな働き方を考える」

 

 

●開催日:2014年7月29日(火)19:00~21:00

●会場:SBN事務所

●ゲストスピーカー:池田徹さん(社会福祉法人生活クラブ風の村 理事長)

1951年富山市生まれ。生活クラブ生協千葉理事長を経て現職。高齢者介護、障がい児者支援、保育・児童養護など幅広く事業展開、「誰一人として孤立させない地域づくりとしての地域包括ケア」の仕組みづくりに取り組んでいる。自身は1級の身体障害者で、週4回自宅で人工透析を行っている。日本二分脊椎症協会千葉支部、千葉腎友会、千葉市オストミー協会会員。

●参加人数:23名(スタッフ含)

 

●開催レポート:

就労困難者の働き方に関する最新事例をさまざまな角度から考える連続セミナー(全3回)の第1回を開催しました。昨年9月から第2フェイズに入った「働き方委員会」による初の公開イベントです。

ゲストスピーカーにお招きしたのは、社会福祉法人生活クラブ風の村理事長の池田徹さん。生活クラブ風の村は、1994年に全国の生協で初めて介護事業に乗り出した生活クラブ生協千葉を母体とする社会福祉法人で、現在は高齢者や障がい者など3800名もの利用者にきめ細かなサービスを提供しています。

真の包摂型社会をつくる上で、池田さんが大事にしている考え方の1つが「ユニバーサル就労」です。ユニバーサル就労とは、障がいがあろうと生活困窮状態にあろうと、誰にとっても働きやすく、働きがいのある職場環境を目指す取り組みです。生活クラブ風の村では、一般的な雇用形態が合わない人にも、短時間や週に1日だけなど、それぞれの人の個性や事情に合わせた多様な働き方をつくり出し、利用者のうち現在70名が介護補助や清掃などに従事しています。

ユニバーサル就労を導入する際に大切なのは、既存の業務をいかに「分解」できるのかです。事業者の中には、困難を抱えた人にやってもらえる仕事はない、と思う人も少なくないでしょう。しかし、かなり専門的とされる仕事の中にも、実は比較的単純な事務作業が含まれていることも多々あります。そうした業務をうまく切り出して、一般就労は難しくても働く意欲のある人とマッチングすることで、事業者にとってもメリットのある仕組みにしているのが、風の村の提案するユニバーサル就労です。

よりよいマッチングのためには、一人ひとりの希望やスキルを丁寧に見極め、その人に合った仕事をつくらなければなりません。風の村ではユニバーサル就労支援室という専門部署を設け、職場見学や実習も取り入れながら、就労につなげる機会を実に丁寧につくり出しているそう。現場で支援にあたるユニバーサル就労支援室長の平田智子さんと、生活困窮者の自立支援を担当する川上葉子さんからは、マッチングの具体的なプロセスを紹介いただきました。

質疑応答で、組織内部コンセンサスの重要性についての話が出ました。ユニバーサル就労は労働の成果と賃金の相関を単純に測りにくいシステムだからこそ、パートタイマーを含めて職員全員に納得してもらうため、研修を通して意義や目的を何度も伝えているとのこと。仕組みを生かすも殺すも人次第だと言えそうです。

参加いただいた方からは「細かい配慮にビックリした!」と感嘆の声があがる一方、「マッチングの見極めポイントは?」「就労支援室の人にはどんなスキルが必要?」など、具体的にユニバーサル就労を導入する場合のノウハウを問う質疑が数多くありました。それぞれの職場に生かせるヒントが見つかったのではないかと思います。

 

●参加者の声(アンケートより一部抜粋)

・  会社に人を合わせるのではなく、それぞれの事情を勘案できる会社、職場づくりについて共感しました。

・  一人ひとりを大切にしながら補い合うということは就労でも可能であると思いました。

・  ユニバーサルということが結局は”ヒト”の心によって、手によって成り立つというメッセージに共感しました。

・ 期待を大幅に上回る情報をいただきました。本当にありがとうございます。

・ 事業所型中間就労を増やすために企業が何をすべきか、改めて考えてみたいと思いました。

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